5代目の山岳迷走記第1章 山岳迷走記の目次ページへ @最短距離縦走コース(日帰り) 今回のテーマ 「当店来店のお客様との話題に挙がる、”姥湯は一切経山の裏”を実証してきました」 福島側浄土平〜300名山の一切経山〜家形山〜姥湯温泉〜峠駅 踏査日 2008年7月22日 地図はこちら 4月から山菜採りが始まり6月のタケノコ狩りが終わりひと段落。それから1月ほど峠居工房に 集中していた。7月のある日、来店客とのお話で「山に登られないのですか」と問われ、ハッと 気づいた。かつて、道路が今より悪く簡単に近づけなかったころは姥湯も滑川も、登山、湯治 という限られた方のみでにぎわっていた。登山客は缶詰を分け合い雑魚寝。湯治客は自炊し たご飯を交換しあうなどという交流・連帯性もあった。現在は車で1日何か所も回れて効率はよ いが、その分物事の全容というか奥行が見えないのではと思う。どうしても一か所一か所が希 薄になると思うのだ。”一つ処を濃密に”。かつてのようにいかなくても、少人数でもいいからこ の周辺をじっくり味わってくれるような登山客を増やしたい。そのために自分が歩き、私流の味 わい方を発信しようと思い、『5代目のの山岳迷走記』なるページを作ったものの、そのままだ ったことを思い出した。そんなわけで、海の日3連休の次の日7月22日、連休明けで静かな所 を狙い山に登ってきた。 JR峠駅 8:24発 〜 JR福島駅 8:52着 福島交通からスカイライン循環バスが毎日2便走っている。福島駅から土湯温泉経由で浄土 平へ。そして高湯温泉経由で福島駅に戻る。午前の便は浄土平10:50着、同12:00発。午 後の便は浄土平14:50着、同16:00発。通常登山は早朝出発し、午後の2時3時には宿に 入る。山は地形と標高の関係上、午前中に暖められた空気が雷雲となり、午後2時3時頃、雷 が発生しやすい。もし、樹木の生えていない山で雷神様の機嫌を損ねたら、、ヒトの丸焼きもな いとはいえない。ただ予定では午後1時には樹林帯に入るから、そうそう雷が直撃はないだろ うというプランと、こういう交通の事情により11:00登山開始という運びとなる。 福島駅西口バス停 9:20発 〜 浄土平バス停 10:50着 駅内で飲食料補給しバス停へ。1人軽ザックのおじさん発見。一切経山に登ると言い、500ミ リの缶チュウハイを飲み干している。まあ1時間半のバス旅。アルコールもほどほどに分解さ れ活力になるのだろう。予想どうり連休明けは人が少ない。チュウハイおじさん以外はとても山 に行く服装とは思えないおねえさまが4人カメラを手に前の席に陣取ってるのみでバスは出発 連休明けでガラガラのバス内 バスは土湯、野地、新野地、赤湯、鷲倉、幕川温泉の一帯を走りスカイラインへ。上からは快 速に飛ばす自転車アスリートの集団。ただ標高1000メートルを過ぎたあたりから霧で視界不 良。磐梯山も猪苗代湖も見えない。いやいや登山計画自体見直すべきかと思うほど。その後 霧の帯域をぬけ標高1500メートルの浄土平へ 車もまばら、吾妻小富士が目前に 登山口から一切経山を望む おねえさま方はバス内に荷物を置いて散策。チュウハイおじさんはアルコールがどれだけ残っ ているのか知らないが1番で飛び出して行った。一応登山届を出し、ざっと見たところ、自分と おじさん、そして2人ほど登っている。ちょっぴりさみしいなと思った。 ケルンと残雪と チュウハイおじさんは足が速い。姿がないのだ。 登山道から吾妻小富士を振り返る。気になる雲の流れ 鎌沼と木道 しかし雲が厚い。縦走はやめて一切経山からUターンするべきか 8合目くらいで登山者に遭遇。気分が盛り上がる。でも縦走者はたぶんいない。 チュウハイおじさんはこの一団を追い抜いてぐんぐん進んでいる。飲んでいないこちらが ヨレヨレなのにチュウハイおじさんはピンシャン元気。アルコールパワー恐るべし。山頂の視界 が悪そう。五色沼が見えるだろうか。 11:00登山口出発 〜 12:00 300名山 一切経山頂上 一切経山頂は案の定霧が濃い。とりあえず記念撮影。快速チュウハイおじさんに撮影していた だく。先ほどの一団を含め全部で40人くらいの仲間。みな一様に濃霧で残念がっていたが… 12:04山頂から北側を俯瞰 12:05五色沼 ”魔女の瞳” 出現 実は我々が登っているとき、すれ違った下り組から「見えなかった」と聞いていた。折よく正午 太陽の天中時。覆っていた霧が流れた。そして写真左側の登山道。11時の方向の盛り上がり が家形山。まっすぐ左(西)に走る線が県境。さらに北へ下れば姥湯温泉。霧があがり、当初 の予定どうり前に進む。 振り返る一切経山の荒涼たる山肌 奥に座する東吾妻山 チュウハイおじさんや皆とはお別れ。おじさんは16:00発のバスに乗る。おそらく浄土平レスト ハウスでアルコールを補給するのだろう。 1人北側へ下る。やたらでかいやつが。これも噴火で空を飛んできたのだろうか。 12:30五色沼横の木道 おにぎりを1個ほおばる。北へ北へ我が家に続く道 木道からの眺め 五色沼そして30分前には頂上にいた一切経山 右に行くと高湯温泉までの長い下り、左に少し登り家形山。また霧が濃くなる 12:55 家形山のケルン、奥の一切経山 霧が出てきて写真右(南西)の山々の同定できず。おそらく東・中・西の3吾妻が見える希少ポ イントのはずだが。雷鳴が聞こえ、早々に出発。 樹林帯に入る。ずーと県境を歩くことになる。クマよけ、気象確認のためラジオをつけボリュー ムをあげる。しかしタイムリーなことにNHK山形も福島も高校野球の地域別中継。NHK東京 は出力大きく入感するが、関東の気象情報が流れてもなんだかな…。 ここは分岐が多いエリア。今日は右側五色沼からやってきた。左側五色温泉へのルートは登 山開きの霧ノ平の高倉新道。自分は矢印手前側、すなわち東西の県境ラインを進む。 ミズバショウ、ユウレイタケ、シャクナゲなどに迎えられ静かな歩み。デジカメがメモリーいっ ぱいになってしまい、これらを撮影したと思ったのに帰宅後整理したらなかった。この先泥地帯 あり、それに対し、木道ならぬ飛び石道があるのに感動。庭師さんが敷いたようなきれいな飛 び石。もちろんルートの一部分だけど。写真がないのが残念。 デジカメお疲れのため携帯電話で撮影。堀田林道をやり過ごし兵子(ひょっこ)新道を下る。峠 駅の文字がでてきた。姥湯まで1.5キロ?すぐそこじゃん。 13:45兵子岩稜(ひょっこ) 到着 分岐から5分ほど。岩に取り付いてよじのぼる。特に標柱があるわけではないが、兵子は岩稜 なので同定できる。霧が濃く俯瞰できず。あと1.5キロを下ればよい?楽勝。 こののち写真撮影なし。全然楽勝じゃなかったのだ。新道は急降下。ロープやクサリ場があ り。トドマツ・シラビソの樹木帯に入る。これらの根どもがときには階段となり、障害物ともなり幾 分集中力を欠いたところをおそう。過去に山の中で帽子だの鈴だの首にまいていたタオルだ のなくしたことから、カメラの出し入れをやめたのだ。本当に1.5キロなのだろうか? 14:30 おにぎりをもう1個 まだまだ温泉は見えない それから1時間の格闘 15:30姥湯駐車場口到着 駐車場にある長めのハシゴが最後の障害。 そして姥湯温泉。まさに”姥湯爆裂火口跡”である。 もっともゴールは姥湯でなく峠駅前の我が家。2時間車道を歩く。下りが続き、足の親指の爪 が痛い。靴下選びを間違った。 参考データ 循環バスが1日2本で、その2本目が浄土平14;50着なので必然的に1本目の10:50着を 利用することになると思う。それなら、今回の私の行程と大差なく15:30姥湯駐車場口に到 着すると思う。峠駅まで下れば18:02発福島行き、もしくは19:03発福島行きに乗れる。 もちろん姥湯に宿泊というプランもあるし、あと1時間下って滑川に宿泊でも楽しい。 浄土平エリアにある兎平野営場にテントを張り、好きな時刻に出発というプランもありえるので 参考タイムを書き込んでおく。 浄土平登山口 (70分) 一切経山 (40分) 家形山 (45分) 兵子 (90分) 姥湯駐車場登山口 休憩が数回入り全行程約4時間30分 2008.8.7改訂 |